コーヒーの基本
コーヒーの基本
コーヒーの実は真っ赤なチェリー
熟したコーヒーの実をコーヒーチェリーといいます。
チェリーの構造は、外側は肉質の外皮で、その下にパルプ(果肉)と呼ばれる甘い粘液質の層があります。
このパルプの内側にはパーチメント(洋皮)として知られる、乾いた、なめらかな、むぎわら色の堅い皮がありさらにその下にはシルバースキン(銀皮)と呼ばれる薄い膜があって種子を包んでいます。コーヒー豆はこの種子のことです。
コーヒーの産地
赤道を中心にして、南回帰線から北回帰線の間にある熱帯地方がコーヒー栽培の適地で、「コーヒーべルト」と呼ばれています。直射日光を受けても酷暑ではなく、それなりの雨量に恵まれ、年間平均気温が摂氏15~30度ぐらいで、降雨量が1,800ミリ内外の排水のよい土地にコーヒー農園が設けられています。
コーヒーの成分
1 カフェイン
カフェインは苦味と興奮作用をもっています。コーヒーの大切な成分であり、これを欠くとコーヒーの値打ちはなくなります。
2 香り
コーヒーの香りは複合的なもので40種くらいの芳香物質からあるといわれています。
3 粗繊維
生の豆に含まれている約28%の粗繊維は豆を煎ると炭火して褐色になります。この色素は、糖分が変化してできあがったカラメルの色素と共に、コーヒー液の色調を作ります。
4 脂肪
コーヒーの脂肪は一種類ではなく、分析すると、いくつもの種類に分れます。その中には脂肪酸があり、これが多いコーヒーは酸味が強くなります。
5 鉱物質
「灰分」珪素、鉄、石灰、ソーダ、燐、硫黄、塩素などで、いずれも含有量は微少。
6 タンニン酸
コーヒーをブラックで飲む時、苦味や渋味のあとから、かすかな甘味が舌に乗ってきて、「おいしいなあ」と感じさせます。それがタンニンの作用であると同時に、コーヒー豆に初めから含まれている糖分の作用です。
7 エキス分
「エキス」とは抽出物の意味。エキス分は他の7つの成分以外の物質で、その量は生の豆で約17%、煎った豆で約29.5%です。
カフェインと健康
カフェインは次の特徴をもっています。
1 快適な興奮剤として適度に神経を刺激し、疲労を癒し元気も回復し、スタミナアップに効果があります。
2 血液中のノルアドレナリンというホルモンの分泌を高め、心臓の動きを活発にし、細胞に酸素をゆきわたらせるので、頭脳の働きをアップして思考力を旺盛にします。
3 胃や腸が刺激されて、消化作用が活発になります。また腎臓が刺激されて尿の排泄がよくなります。
4 体内のエネルギーの代謝を高めるため、脂肪が分解されダイエットに効果があります。但し、高血圧や動脈硬化症の人は、カフェインを含んだ飲み物はすべて控え目にすることが大事です。
コーヒーは飲むサラダ
コーヒーは弱酸性飲料でありアルカリ性食品
我々が健康に過ごしていくためには、体の中が弱アルカリ性に保たれている必要があります。そこで体の中の酸化を防ぐためには、アルカリ性食品を摂取して酸性と中和させる必要があると言われております。
コーヒーは、成分自体でみると弱酸性飲料ですが、体内に入ると消化・吸収され、アルカリ度の高いミネラルが残ることから、栄養学的にはアルカリ性食品となります。
コーヒーはサラダです
肉料理や油っこい料理を食べたあとの一杯のコーヒーは消化剤。これはコーヒーの苦味が胃酸の分泌をよくするからです。それにもちろんコーヒーはアルカリ性ですから、酸性の肉料理のあとには、サラダを食べるようなさわやかさ。フルコースディナーのあとの一杯のコーヒーはこんなところから生まれました。
二日酔いもすっきり
二日酔の朝にいいといわれるトマトジュースはアルカリ性。そしてコーヒーもまたアルカリ性です。しかもコーヒーには眠けを醒ますカフェインが含まれていますから、頭もスッキリ。モーニング・コーヒーは二日酔のひとはもちろんのこと、朝のさわやかなスタートには欠かせないものなのです。
コーヒーの制ガン作用
癌学会で発表された実験の結果、コーヒー、野菜ジュース、緑茶のタンニンには、発ガンをおさえる作用があることがわかりました。特にコーヒーは、ラットの研究で「肝ガン」に対する抑制作用がみられたとのこと。決定的な治療法がない今、予防こそ一番。コーヒー好きにはうれしいニュースですね。