辻村英之（京都大学農学研究科・生物資源経済学）

◎ルカニ村は、万年雪を抱くアフリカ最高峰・キリマンジャロ山（標高5,895m）の西斜面（標高1,500〜1,700m）にある、人口1,482名のチャガ民族の農村です。村の標高の高さは１日の気温差を導き、「キリマンジャロ」のさらに上質な甘味、酸味、香りを生み出します。私は93年に初めて同村を訪問し、村民の暖かさ、素朴さ、真摯さ、快活さに強く惹かれ、96年以降ほぼ毎年、村に滞在し、コーヒーの流通、農協、農家経営などについて学術調査を続けています。 ◎ところが近年、史上最安値の水準にまで落ち込むなど、コーヒーの国際価格の低迷が目立ちます。ルカニ村においても、コーヒーの販売収入が激減し、村民は教育・医療・社会開発への支出を大きく削らざるをえない状況に追い込まれております。コーヒー栽培をあきらめて、街へ出稼ぎに出る村民も増えました。このような悲況から脱却するため、「最低価格の保障」と「還元金（産地の社会開発経費として利用）の支払」の2つの手段により、ルカニ村民の生活やコーヒー生産を支援する「ルカニ村・フェアトレード・プロジェクト」を開始しました。この還元金により、図書館が完成しました。今後もこのフレンドシップコーヒーを飲んでいただくことで、ルカニ中学校の建設を支援することができるのです。		キリマンジャロ・ルカニアラビカ（150g）……882円 ※計量販売もしております。一部取扱いのない店舗もございます。

☆素晴らしい芸術はコーヒーの味わいを引き立て、上質のコーヒーは芸術の魅力をいっそう深めます。今月から始まったこのコーナーでは、訪ねてみたい世界のミュージアムをご紹介します。

☆細見美術館は、実業家・細見亮市とその長男・細見實が収集した東洋古美術品を展示するために、1998年に開設されました。コレクションは、琳派や伊藤若冲など江戸時代の絵画、平安時代の仏画から古墳出土品まで、幅広い分野にわたり、重要文化財なども収蔵。京都の町家をモチーフにした建物は、地下2階から地上3階までの吹き抜けの中庭、屋上庭園、茶室などを備えています。また、美術館の周辺には、初詣客で賑わう平安神宮のほか、京都市美術館、京都国立近代美術館などがあります。次回は、大原美術館を訪ねます。




300号記念コーヒーエッセイ発表！
「素敵なあなたに」の300号を記念したコーヒーエッセイ募集へのご応募ありがとうございました。皆様から寄せていただいた作品をご紹介します。

仕事に疲れふと入った喫茶店。そこで飲んだコーヒー。それがキョーワズコーヒーとの出会いだった…。それまでは特にどこのコーヒーという特別な思いもなく、マンネリに、手当たり次第に飲んでいた。しかし、たまたまお店で出会ったそのコーヒーは酸味があり、やさしく私の心の中にまで沁み入り、じわじわと緊張をほぐしてくれ、すっかりキョーワズコーヒーのファンになったという訳である。まるで山歩きして美しい木々に出会った時のように。いまでは、私の生活になくてはならない友という存在になっている。ほんとうにありがとう！