万年雪を抱くアフリカ大陸最高峰・キリマンジャロ山(標高5,895メートル)。ルカニ村はその西斜面(標高1,500〜1,700メートル)にある、チャガ民族の1農村(人口1,482名、世帯数355戸)です。
日本においては「ブルーマウンテン」や「モカ」に次いで人気の高い「キリマンジャロ」ですが、ルカニ村の標高の高さは1日の気温差を導き、さらに上質な甘味、酸味、香りを生み出します。
私は93年に初めて同村を訪問し、村民の暖かさ、素朴さ、真摯さ、快活さに強く惹かれました。
96年以降はほぼ毎年、同村に1〜2週間滞在し、コーヒーの流通、農協、農家経営などについての学術調査を続けております。
ところが近年、2001〜02年にかけて史上最安値の水準にまで落ち込むなど、コーヒーの国際価格の低迷が目立ちます。
ルカニ村においても、コーヒーの販売収入が激減し、村民は教育・医療・社会開発への支出を大きく削らざるをえない状況に追い込まれております。
コーヒー栽培をあきらめて、街へ出稼ぎに出る村民も増えました。
日本の消費者が愛好してきたキリマンジャロコーヒーの甘酸っぱい香りと味を、喪失してしまう危機でもあります。
このような悲況から脱却するため、「最低価格の保障」と「還元金(産地の社会開発経費として利用)の支払」の2つの手段により、ルカニ村民の生活やコーヒー生産を支援する、ルカニ村・フェアトレード・プロジェクトを開始しました。
この還元金により、図書館が完成しました。
今後はこのフレンドシップコーヒーを飲んでいただくことで、ルカニ中学校の建設を支援することができます。
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